私とクラシック音楽
クラシックな音楽に身を包みませんか?ヽ(→㉨ˇ←๑)ノ
ベートーヴェン:交響曲全集
おすすめ度 ★★★☆☆出典:スペインのことわざ
これは快楽主義的なベートーヴェンである。もっとも、これらの演奏を聴いていると、ヘルベルト・フォン・カラヤンはセックスと愛を、体つきと感情を混同していないかどうか、ときに疑わしく思われる。少なくとも彼は、心理学や実体よりも、音の豊かさやテクスチュアの重みにより多く関心があるように見える。彼の解釈には大いなる感情も、葛藤も、精神的解放感もないけれども、大いなる美しさと気分を浮き立たせるものがあることは確かである。
演奏法はカラヤンが1970年代にベルリンで修めた"マッサージ"スタイルの典型で、"マッサー� ��"スタイルとは、よく知られているように、アンドルー・ポーターが演奏の成果を批評して神戸牛にたとえたものである。筋骨隆々の下にはある種の柔らかさがあるが、大部分においてカラヤンは例の強烈な統率力を発揮し、抒情的な要素と動的な要素のバランスを維持している。
これらのレコーディングを行ったときピークを迎えていたベルリン・フィルハーモニー・オーケストラは、まさに驚きである。その演奏が熱情的であったり、あるいは自発的であったりすることはほとんどないとはいえ、そのサウンドは豪奢で、生気に富み、気分を浮き立たせるほど豊かである。
カラヤンは終始、ビッグ・オーケストラを使い続ける。交響曲第1番でもそうで、そのため音が、重々しくはないが、大きく聞こえる(第4楽� �冒頭でのヴァイオリン群のきびきびした音階は、心地よいほど軽やかである)。オーケストラの滑らかさに加えて、カラヤンの解釈もエネルギーが高レベルにある点で注目に値する。これはとくに第8番について言え、この全集でもっとも成功している作品の1つである第8番は、第7番との関連をはっきり示すやり方で演奏されている。
バランスについては、評価は「非常によい」から「傑出した」まであるが(第4番、8番、9番)、超越的なところまで近づくことはごくまれである。ベルリン・フィルハーモニーで行われたレコーディングではクローズマイクが使われ、かなり高レベルで原盤ディスクが作られ、サウンドは見事なほど堅牢である。(Ted Libbey, Amazon.com)
マリア・カラス ミレニアム・ベスト
おすすめ度 ★★☆☆☆出典:ドラえもん のび太の結婚前夜
マリア・カラスのおいしいところを1枚に収めてしまおうという、もしかしたら無理なことをやっているCD。一部フェイド・アウトされている部分があり、そのことに文句をつける人もいるらしいが、やはり1枚で大体のところが分かるというのはうれしい。「オペラには興味がないけど、カラスだけはいいね」という人がいる。おそらく何かの機会にこのCDを耳にして同� �のことを思う門外漢がたくさんいることだろう。音質もいいし、選曲もビゼーやプッチーニの超有名曲が中心なので、だれにでも安心して勧められる入門盤だ。50頁を超えるブックレットが付いているのもセールス・ポイント。評論家のエッセイがいくつか、年譜、収録曲の紹介と歌詞対訳 、さらに豊富な写真が掲載されている。(松本泰樹)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」/ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
おすすめ度 ★★★☆☆出典:レフ・トルストイ
「皇帝」の演奏の良し悪しは、実は、シンフォニーのようなあのオーケストラの長い提示部がいかに充実しているかでほとんど決まってしまう。グルダ自身も賞賛しているように、ここでのホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルは本当に素晴らしい。気迫満点の剛毅な響き、豪快にぐいぐいと進むそのタクトさばきは、私たちをベートーヴェンを聴く喜びでいっぱいにさせてくれる。
もちろんグルダのピアノも、言葉も出ぬほどの素晴らしさである。凛とした筋肉のように、艶やかで、誇らしげで、美しいということを、まったく恥じる気配もない。王� ��の風格とはまさにこのようなものであろう。優しさも、力強さも、瞑想も、決断力も、勇気も、人間的でポジティヴな感情のすべてがここには詰まっている。長いたてがみをなびかせた獅子の気高い音楽――そんな言葉さえ思い浮かぶ。1971年1月の録音だが、いまだに「皇帝」最高の名演のひとつとして、輝かしい存在感を放っている。「テンペスト」は、グルダがウィーンの反逆児としてめきめきと頭角を現し始めた1957年12月、グルダ27歳の録音。グルダ特有のはちきれんばかりのリズムの生命力と勢いと才気が、馴染み深い「テンペスト」を鬼気迫る嵐のような音楽へと昇華させている。協奏曲の余白に収めるだけではもったいないくらいの名演である。(林田直樹)
パッヘルベルのカノン~バロック名曲集
おすすめ度 ★★★★☆出典:W・H・オーデン
室内管弦楽の演奏で「上品で知的」と評判なのが、音楽学者でもある指揮者、ジャン=フランソワ・パイヤールが率いるパイヤール室内管弦楽団である。そのアンサンブルは、繊細なうえに明るさがあり、古典的で格調高い世界を表現している。
このアルバムは、バロック音楽の名曲を選りすぐったもので、ジャン=ピエール・ランパル(フルート)、ピエール・ピエルロ(オー ボエ)、モーリス・アンドレ(トランペット)など、フランスの名手たちの共演が聞けるのも楽しみの1つだ。
フランス映画『夫婦』のテーマ曲に用いられた<4>は、3つのバイオリンと通奏低音からなる弦楽合奏用に編曲されたものである。静かに続く通奏低音の主題に合わせて、バイオリンによる3声のカノンが情緒的に重なりあう。バッハのカンカータで特に有名な第140番は、キリストを花婿に、信者を花嫁に例えて、キリストの再臨を迎える喜びが歌われた作品だ。<13>はその第4曲にあたり、ユニゾンの弦楽合奏と通奏低音による旋律で、花婿の行列が次第に近づいていくさまを描いている。(新井由己)
Complete Beethoven Edition
おすすめ度 ★★★★☆出典:厨川白村
交響曲は、他にも安いのがいくらでもあるので、おまけと考えても良いのでは。 交響曲全集はブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデン(Berlin Classics)、 ピアノ協奏曲全集はグルダとシュタイン&VPO(DECCA)、 ヴァイオリン・ソナタ全集はグリュミオー&ハスキル(PHILIPS)、 チェロ・ソナタ&変奏曲全集はハインリヒ・シフ&フェルナー(PHILIPS)、 ピアノ三重奏曲&変奏曲全集はボロディン・トリオ(CHANDOS)、 ピアノ・ソナタ全集はブレンデル(VOX音源)、 『フィデリオ』全曲はドホナーニ(DECCA)、 『レオノーレ』全曲はブロムシュテット(Berlin Classics)、 ミサ・ソレムニス&ハ長調ミサはデイヴィス&ロンドン響(PHILIPS)といった有名音源から、 作曲家としても有名なカリユステ指揮による『皇帝ヨゼフⅡ世の葬送カンタータ』と『皇帝レオポルトⅡ世の即位を祝うカンタータ』といったものまで、その構成音源は実に多彩。 解説テキストは、英語とイタリア語、スペイン語で、声楽曲の歌詞と共に付属のCD-ROMに収録。 縦130mm×横215mm×奥行140mmの限定生産品。
Il Divo
おすすめ度 ★★★★☆出典:ドワイト・アイゼンハワー
必ずしもモンキーズを手本としたクラシックのクロスオーバーではないのだが、アメリカ、フランス、スペイン、スイスと世界から集まった若い男性ヴォーカリストたちによるカルテットは、モンキーズと似たような遺伝子をもっている。長いタレント発掘とオーディションを経て結成された彼らは、ポップのプロデューサーであるペール・マグヌセンとデイヴィッド・クルーガー(ブリトニー・スピアーズ、バックストリート・ボーイズ)、スティーヴ・マック(シャルロット・チャーチ、ケリー・クラークソン)と組み、ドラマチックでダ イナミックなトニー・ブラクストンの代表曲「Unbreak My Heart」をスタンダードとして、典型的なポップ愛好家たちの気持ちをほぐした。メンバーたちの異なる国籍とタレント発掘を基盤とする結成の背景とは矛盾するハーモニーの人を欺く気安さが、メロドラマのような「Hoy Que Ya No Estas Aqui」、モリコーネの名高い『Mission』のテーマ「Nella Fantasia」、怒濤のような「Passera」で聴ける一方で、このアルバムのポップ志向の素材は明らかに種種雑多には留まっていない。「Everytime I Look at You」や「Feelings」(モリス・アルバートではなく)は優美に響き、一方「The Man You Love」はプロデューサーたちのボーイズバンドの背景への先祖返りに近く聞こえる。スタンダードの「My Way」や愛らしいイタリア語版のボーナス曲「Unchained Melody」は高いクオ� ��ティでアルバムを締めくくる。たとえ、無難で耳なじみのいい選曲がこのカルテットに充分な音楽的挑戦を与えていないとしても。--Jerry McCulley